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2014年08月06日

カガクの翻訳者

どんな事件でも、マスコミやネットの過剰なバッシングが起き、
いつもウンザリしていますが

今回の科学者自殺に関しては、私にとっては衝撃的でした。
それは同業だからです。
(お亡くなりになった笹井氏は研究者としては天の上のような人で
 私なんかは比べ物にならないし、手掛けている分野が全然違うのですが、
 そういうことは、この際置いといて。)


個人的には、まーーーーったく接点はありません。
ただ、奇しくも同い年です。
同じ時期に、それぞれ違う大学で、同じような日々を送ったはず。
それを思うと、ただもう、やり切れないのです。

氏を自殺に追いやったものが、具体的に何なのかは
推測しか出来ないため、私には言及できません。

ただこのことで、強く思ったことが一つあります。

バッシング報道が多々ある中で
こと、科学者へのバッシングに関しては
いわば、魔女狩りのようなものを感じていました。

「難しいもの、よくわからないものを偉そうに振りかざしやがって。」
そんな気配を感じていました。
反論のある向きもおありでしょうが
確かに、そういう気配はあります。それは断言できます。

人間は、よくわからないものが目の前に現れた時、
とっさに苛立つものです。
たぶん自己防衛本能だとは思いますが
そうした苛立ちが科学者に集中することが、まま起こる。

今回の件では、それが特に強く現れたように思えてなりません。
そして、科学者たちは、訥弁です。
感情を言わないように訓練されています。
客観的な事実しか言わないよう、たたきこまれています。
だから、おとなしく見えるんです。
いくら攻撃しても大丈夫みたいに、見えるんです。
それがバッシングを助長する結果になったようにも、思えます。

このままだと、魔女狩りはまた起こります。
カガクを生業とする私としては、もう、こんなことはまっぴらです。

どうしたらいいのだろうか。
無名の私に、一体何が出来るのだろうか。

昨日は一日じゅう、それを考え続けていました。

そうして出てきた答えは

カガクの翻訳者であること

こむずかしそうで、偉そうに聞こえて、腹立たしげに見えるから
カガクや科学者を攻撃したくなるんだと思います。
理解できれば、そんな感情は薄れます。
普段よく使っている言葉で
普段目にしている現象と共に
語りかければ理解できていきます。

語りかけるだけでなく
上手な反論も大事です。

感情的で理不尽な問いかけを受けたら、
こちらも感情を交えて応じるのです。
丁々発止と身をかわせるような受け答えで防衛できれば
攻撃者も、ひるむというもの。

そんなやりとりを積み重ねたら、こんな悲しい事態は無くなってくれるだろうか。
甘いのだろうか。
それでもいいです。
笑う人はいくらでも、いつまでも笑っていればいいんです。


カガクを噛み砕き語りかけることは、まさに翻訳作業。
そしてこれは、井戸端カガク、そのもの。
井戸端カガクを、私は愚直に続けます。




献花がわりに







  

Posted by かもちゃん at 10:05Comments(2)これまでの様子